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タイ在住者向けバムルンラードのアルツハイマー包括ケア

バムルンラード病院のアルツハイマー包括ケア:タイ超高齢社会への新しいアプローチ

タイも本格的な高齢社会に入り、アルツハイマー病や認知症のことが身近なテーマになってきましたよね。家族の「物忘れ」が気になっても、どこまでが加齢の範囲で、どこからが病気なのか、迷う方も多いと思います。

そんな中で、バムルンラード病院がアルツハイマー患者さんを「診断から長期フォローまで」切れ目なく支える、包括的なケアモデルを打ち出しています。タイでの医療の選択肢として知っておきたいポイントを、まとめてご紹介します。

タイの高齢化とアルツハイマー病の現状

世界保健機関(WHO)によると、世界には約5,700万人の認知症の人がいて、毎年新たにほぼ1,000万人が増えているとされています。その中で最も多い原因がアルツハイマー病で、認知症全体の約60〜70%を占めるとされています。

タイでも状況は他人事ではなく、60歳以上の高齢者のうち、認知症がある人は約80万〜100万人、割合にするとおよそ6〜8%とされています。今後も増加傾向が続くとみられ、タイは「超高齢社会」レベルに入ったと表現されています。

だからこそ、症状が軽いうちからの「早期発見」と、その先を見据えたケアの計画づくりがとても重要になっています。

バムルンラード病院の強み:神経領域の評価と診断精度の高さ

バムルンラード病院は、アルツハイマーを含む脳・神経疾患の分野で高い評価を受けています。Newsweek誌のランキングでは、「仏暦2569(2026年)アジア太平洋地域ベスト専門病院」において、神経内科分野で2年連続、脳神経外科分野で3年連続で選出されています。これは、脳や神経の病気への専門性の高さを示すひとつの指標と言えます。

同院の認知症・行動神経学センターの神経内科専門医であるผศ.นพ. ภรัณยู จูละยานนท์ 医師は、アルツハイマー病について「脳細胞の変性に加え、ベータアミロイドというタンパク質の異常な蓄積が関わっている」と説明しています。年齢とともにリスクは上がりますが、遺伝によるものは多くはないとされています。

また、「物忘れ=アルツハイマー」とは限らない点も強調されています。診断には、問診や身体診察だけでなく、記憶・思考能力のテスト、さらに必要に応じて脳のMRIや血液検査が行われます。加えて、Amyloid PET Scan や Blood-based Biomarkers(血液ベースのバイオマーカー)といった検査が一部のケースで使われ、診断の精度を高めるのに役立てられています。

現時点でアルツハイマー病そのものを完全に治す治療法はありませんが、早い段階で見つけることで、症状のコントロールや病気の進行をできるだけ遅らせる治療計画を立てやすくなります。その結果として、患者さん本人と介護する家族の生活の質を、よりよく保つことにつながるとされています。

抗アミロイド薬とDisease-Modifying Therapyという新しい選択肢

バムルンラード病院の高齢者メンタルヘルス・記憶・認知症を専門とする精神科医、พญ. อุมามน พวงทอง 医師は、アルツハイマー治療の流れが変わりつつある点を指摘しています。

これまでの標準的な薬物治療は、あくまで症状を和らげたり、進行をある程度遅らせたりすることが目的で、病気の根本的なメカニズムにはあまり影響しないものでした。

最近は、「Disease-Modifying Therapy(疾患修飾療法)」と呼ばれる、病気の進行そのものに働きかけるタイプの治療が登場しつつあります。中でも注目されているのが、抗アミロイド薬と呼ばれるお薬のグループです。

この抗アミロイド薬は、軽度の記憶障害からアルツハイマー病の初期段階にある一部の患者さんに対して、新たな選択肢となり得るとされています。認知機能の低下をできるだけゆっくりにし、記憶力やさまざまな能力を「今の状態に近いレベルで」長く保つことが期待されています。

ただし、この治療が誰にでも使えるわけではありません。抗アミロイド薬の使用には、前述のBiomarkers検査などを用いた「早期かつ正確な診断」が必須条件とされています。一方で、病状がすでにかなり進んでいる方や、この薬を使うことが難しい方もいます。

そうしたケースでは、原因の探索や環境・コミュニケーションの調整を優先し、必要に応じて症状を和らげるタイプの薬を併用することで、患者さんと家族の生活の質を守るアプローチがとられます。特に、イライラや落ち着かなさ、攻撃的な行動、うつ状態など、行動や感情の変化が目立つ場合には、環境調整と薬物治療を組み合わせることで、日々の暮らしのしんどさを軽減することがめざされています。

Integrated Care Model:多職種チームで支える長期ケア

アルツハイマーのケアは「物忘れの問題」だけを見ていては不十分だと話すのが、バムルンラード病院の内科・老年医学専門医である พญ. ลิลลี่ ชัยสมพงษ์ 医師です。

患者さんを評価する際には、持病や内服薬、気分や感情の状態、歩行やバランスなどの身体機能、日常生活動作の能力、安全性、さらには家族がどこまでケアに対応できるかといった点まで、トータルで見ていく必要があるとしています。

そのため同院では、Integrated Care Model(統合型ケアモデル)を導入し、多職種チームによる連携体制を整えています。チームには、神経内科医、高齢者精神科医、老年医学専門医、臨床栄養の専門医、専門看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士などが参加し、それぞれの専門性を持ち寄って治療方針を相談します。

このモデルでは、「Continuum of Care(切れ目のないケア)」をキーワードに、診断の段階から治療、その後の長期フォローに至るまで、病状のステージや個々のニーズに合わせて計画を柔軟に見直しながら支えていくことが重視されています。

そして、ケアの中心にあるのは「患者さんと家族をパートナーとみなす」という考え方です。一方的に医療者が決めるのではなく、本人と家族が置かれている状況や希望を共有しながら、一緒に治療・ケアの道筋を考えていくスタイルが取られています。

栄養と生活習慣から考える、脳を守る日々の工夫

アルツハイマーケアにおいて、栄養はとても重要なピースだと語るのが、内科・臨床栄養専門医の พญ. มรกต สุวรรณการ 医師です。

アルツハイマーの患者さんは、食事量が減って体重が落ちたり、噛む・飲み込むことに問題が出たりすることがあります。そのため、栄養状態を定期的にチェックし、その人に合った形で食事内容を調整していくことが大切だとしています。

脳の健康を考えた食事としては、「多様でバランスのよい食事」が基本。その中でも、地中海食(Mediterranean Diet)と呼ばれるスタイルが注目されています。これは、野菜・果物・ナッツ類・精製していない穀類・魚・良質な脂肪を重視する食事パターンで、こうした食事が「脳の健康と関連している」「認知症のリスクを下げる可能性がある」というエビデンスがあるとされています。

ただし、どんな食べ物であっても「これさえ食べればアルツハイマーが防げる」という保証はない、と明確にされています。ビタミン剤やサプリメントについても同様で、すべての人に必須というわけではなく、「飲めば予防できる」と期待して自己判断でとるべきものではないとされています。

もし、食事量が少ない、体重が減ってきた、栄養不足が心配、という場合には、個別に評価を受け、その人に必要な栄養補給を検討することがすすめられています。

一方、一般の人が認知症予防を意識するなら、「中年期から」がポイントとされています。

ベースになるのは、生活習慣病のコントロールです。糖尿病、高血圧、脂質異常症などの持病をきちんと管理し、禁煙、十分な睡眠、定期的な運動、そして人との交流を保つことが挙げられています。

さらに、音楽、アート、語学、新しいスキルなど、「新しいことを学ぶ」ことで脳を刺激する活動も、日常に取り入れたい要素として紹介されています。

まとめ

バムルンラード病院が強調しているのは、「アルツハイマーのケアは、診断や薬の処方で終わりではない」という点です。

脳だけでなく、身体・心・生活・栄養・家族の状況までを含めた包括的なサポートを、患者さん一人ひとりのニーズに合わせて組み立てていく Personalize​d Care(個別化ケア)が大切だとされています。

そのためにも、「あれ、ちょっと気になるかも」という初期サインの段階で、早めに評価を受けることが重要です。早期に状況を把握しておけば、抗アミロイド薬を含む治療の選択肢の検討もしやすくなり、日常生活能力や生活の質をできるだけ長く守るための計画が立てやすくなります。

治療のゴールは、単に「物忘れの進行を遅らせる」ことにとどまらず、「自分らしく生活できる時間をどれだけ伸ばせるか」、そして「家族が変化にうまく向き合えるよう支えること」にあるといえます。

よくある質問(FAQ)

Q1. タイでは認知症やアルツハイマー病の人はどのくらいいるのですか?

A1. タイでは、60歳以上の高齢者のうち、認知症の人は約80万〜100万人とされ、割合にするとおよそ6〜8%とされています。その原因として最も多いのがアルツハイマー病で、世界的にも認知症全体の約60〜70%を占めるとされています。

Q2. 物忘れがあるとすべてアルツハイマー病と考えるべきですか?

A2. 物忘れがあるからといって、必ずしもアルツハイマー病とは限らないと説明されています。問診や身体診察に加え、記憶や思考能力のテスト、必要に応じた脳MRIや血液検査、Amyloid PET Scan や血液バイオマーカー検査などを組み合わせて総合的に判断することが大切です。

Q3. バムルンラード病院のアルツハイマー診療の特徴は何ですか?

A3. 神経内科、高齢者精神科、老年医学、臨床栄養などの専門性を組み合わせた「Integrated Care Model」が特徴です。BiomarkersやAmyloid PET Scanを活用した精度の高い診断に加え、多職種チームによるContinuum of Care(診断から長期フォローまでの切れ目ないケア)で、一人ひとりに合ったPersonalized Careを行っている点が挙げられます。

Q4. 抗アミロイド薬はどのような患者さんが対象になりますか?

A4. 抗アミロイド薬は、軽度の記憶障害からアルツハイマー病の初期段階にある一部の患者さんにとって、新しい選択肢となり得るとされています。ただし、Biomarkersなどを用いた早期かつ正確な診断が前提で、すべての患者さんに適用できるわけではありません。病状が進んでいる場合や、使用に制限がある場合は、環境調整や症状を和らげる薬によるサポートが中心になります。

Q5. 日常生活でできる認知症・アルツハイマー病予防のポイントはありますか?

A5. 一般の人の予防は、中年期から意識することがすすめられています。糖尿病・高血圧・脂質異常症などの持病をきちんとコントロールし、禁煙、十分な睡眠、定期的な運動、人との交流を保つことが大切です。また、音楽やアート、語学、新しいスキルの習得など、「新しいことを学ぶ」ことで脳を刺激する活動も推奨されています。

参照元:Goodtime PR

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