タイFDA解説:日本人向けサプリ倉庫選び5点
タイFDAが公開するサプリメント関連情報と、タイでの倉庫選び5つのチェックポイント
タイでサプリメントブランドを展開したい人にとって、「どの倉庫を選ぶか」は意外と見落としがちなポイントです。
タイの食品医薬品委員会(สำนักงานคณะกรรมการอาหารและยา:อย.、いわゆるタイFDA)は、サプリメントに関する多くの情報を無料で公開していますが、ページが分散していて探しづらいのも事実です。
ここでは、CET Marketing & Distribution社がタイFDAの公開情報をもとに整理した内容から、サプリメントブランドが倉庫選びの前に押さえておきたいテーマを、日本語で分かりやすくまとめます。
タイでビジネスを考えている人だけでなく、「タイのサプリ事情ってどうなってるの?」と気になっている人にも役立つ内容です。
タイのサプリメントは「食品」扱い:法的ステータスを知る
まず大前提として、タイではサプリメントは「薬」ではなく「食品」として規制されています。
タイFDA(อย.)の所管ではありますが、適用されるのは「食品法(พระราชบัญญัติอาหาร พ.ศ. 2522)」であり、医薬品としてのルールとは枠組みが異なります。
そのため、医薬品倉庫に求められるGSDP(Good Storage and Distribution Practice)のような基準は、サプリメント用の倉庫には直接は適用されません。
ただし、だからといって管理がゆるくていい、という話ではなく、「どの法律・ガイドラインがベースになっているのか」を理解したうえで、倉庫の管理体制を見ていくことが大切になります。
タイFDAの食品部門(กองอาหาร)は、仏暦2569(2026年)6月18日付で「サプリメント製品の許可申請マニュアル(คู่มือการขออนุญาตผลิตภัณฑ์เสริมอาหาร)」の公式版を公開し、ダウンロードできるようにしています。
サプリブランドや輸入・販売を考えている事業者にとって、このマニュアルはタイのルールを理解するためのスタート地点として位置づけられています。
ラベル通りの保管ができるか:タイの気候と倉庫管理をチェック
次のポイントは「ラベルに書かれた保管条件を、倉庫が本当に守れるかどうか」です。
タイFDAは食品ラベルと栄養成分表示ラベルに関するルールを、告示をまとめた専門の法令カテゴリとして整理して公開しています。
多くのサプリメント、たとえばプロバイオティクス、オメガ3、マルチビタミンなどは、ラベルに具体的な保管条件が記載されることが一般的です。
「乾燥した冷所で保管」「直射日光を避ける」などの表示がある場合、その条件を満たせるかどうかは、品質に直結します。
特にタイは一年を通して高温多湿なので、ラベル通りの保管ができるかは、ブランド側が倉庫にしっかり確認しておきたいポイントです。
具体的には、倉庫がどの温度帯と湿度を維持できるのか、その記録をどう残しているのか、もし温度や湿度が基準から外れた場合にどんな手順で対応するのか、といった点を確認することが推奨されています。
ここがあいまいな倉庫だと、せっかくのサプリのコンセプトや品質が、保管環境によって損なわれるリスクが高まります。
タイFDAのオンライン申請:e-Submissionと仮番号(FM・FG)
タイでサプリメントを扱う事業者にとって、申請チャネルの理解も欠かせません。
タイFDAの食品部門は、食品関連の申請を行うための「e-Submissionシステム」を開放しており、オンラインで手続きができるようになっています。
さらに、事業者向けにはFM・FGと呼ばれる仮番号(ระบบเลขเสมือน)が用意されています。
これらは、申請プロセスのなかで事業者が利用する仕組みとして位置づけられており、自分で申請を行う予定のブランドや輸入業者は、この2つのシステムについて事前に理解しておくべきだとされています。
申請の所要期間や市場規模などについては、タイ側で信頼できる公開データが見つからなかったため、このまとめには含められていません。
そのため、実務上のスケジュール感などは、直接タイFDAに確認することが推奨されています。
เลขสารบบが取り消された場合への備え:ロット単位の管理が鍵
サプリメントを扱う以上、避けて通れないテーマが「万が一、製品が違反と判断され、เลขสารบบ(食品登録番号)が取り消された場合どうするか」というリスクマネジメントです。
タイFDAは「違法な食品およびเลขสารบบが取り消された製品」のリストを、消費者向けの警告ニュースとして継続的に公表しています。
ブランド側としては、こうした状況になったときに、倉庫がどこまで対応できるかを事前に確認しておくことが重要です。
具体的には、倉庫がロット単位で在庫を管理しているか、どのロットが誰に出荷されたかを追跡できる記録があるか、問題のあるロットだけをすぐに販売エリアから切り離せる仕組みがあるか、といった点がポイントになります。
このトレーサビリティが確保されていないと、リコール対応や行政からの指示に対する動きが遅れ、ブランドの信頼低下につながる可能性があります。
逆に、ロットごとの管理や記録がしっかりしている倉庫なら、トラブル時のダメージを最小限に抑えやすくなります。
自社倉庫か3PLか:タイでのサプリ保管スタイルの選択
最後の大きな論点は、「倉庫を自社で持つか、それとも外部の物流倉庫(3PL)を使うか」という保管スタイルの選択です。
自社で倉庫を持つ場合、家賃や設備、人件費などの固定費がかかるうえ、法令遵守に関する責任もすべて自社で負うことになります。
一方、外部の倉庫サービス(3PL)を利用する場合、倉庫にかかるコストの多くは、取り扱い量に応じた変動費に近い形になります。
このため、小規模ブランドや販売量が安定していないブランドにとっては、3PLのほうがキャッシュフローを調整しやすい場合もあります。
どちらが「正解」という明確な答えはなく、ブランドの規模や売上の安定度によって、向いている選択肢は変わります。
資料では、「一律の正解や公式な『ベストなパターン』は存在しない」と明示されており、自社の状況に合わせて検討することが必要とされています。
まとめ
タイでサプリメントブランドを運営するうえで重要なのは、「タイFDAのルールを正しく理解しつつ、現場でそれをどう運用していくか」という視点です。
サプリメントが食品として規制されていること、仏暦2569(2026年)6月18日公開の許可申請マニュアルがあること、ラベル通りの保管条件をタイの高温多湿環境の中でどう守るか、e-SubmissionやFM・FGといったシステムの存在、そしてเลขสารบบが取り消された時のリスク管理など、確認すべきポイントは多岐にわたります。
自社倉庫か3PLかという選択にも「これが正解」という型はなく、ブランドごとにベストな答えが変わります。
なお、この内容はタイFDAが公開している情報をもとにCET Marketing & Distribution社が整理したものであり、市場規模や審査期間、温度管理による損失割合などの詳細データは含まれていません。
法令解釈については、最終的にはタイFDAに直接確認することが推奨されており、法的アドバイスではないことも明記されています。
このまとめは、CET Marketing & Distribution社の創業者であり、เภสัชกร(薬剤師)であるสุรวุฒิ วูวงศ์氏(薬剤師免許番号 ภ.4846)によって内容確認が行われています。
タイでサプリメントビジネスを考える人は、倉庫選びのタイミングで、ここで触れたポイントを一つずつ見直してみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. タイではサプリメントは薬ではなく食品として扱われるのですか?
A1. はい。タイではサプリメントは「食品法(พระราชบัญญัติอาหาร พ.ศ. 2522)」のもとで「食品」として規制されており、医薬品としては扱われていません。
Q2. サプリメントの倉庫を選ぶとき、保管条件で特に確認しておくべき点は何ですか?
A2. ラベルに記載された保管条件を満たせるかどうかが重要です。具体的には、倉庫が維持できる温度・湿度の範囲、その記録方法、基準から外れた場合の対応手順などを確認することが推奨されています。
Q3. タイFDAにはどのようなオンライン申請システムがありますか?
A3. タイFDAの食品部門は、食品関連申請のための「e-Submissionシステム」を運用しており、事業者向けにはFMおよびFGという仮番号(ระบบเลขเสมือน)の仕組みも用意されています。
Q4. 製品のเลขสารบบが取り消された場合、倉庫にはどのような対応が求められますか?
A4. ロット単位で在庫を管理し、どのロットが誰に出荷されたかを追跡できる記録を持っていること、問題のあるロットを販売エリアからすぐに分離できることが重要とされています。
Q5. タイのサプリ市場規模や申請にかかる期間についても、このまとめで分かりますか?
A5. いいえ。タイ側で信頼できる公開データが見つからなかったため、市場規模、審査期間、温度管理による損失割合などの数値情報はこのまとめには含まれていません。規制の詳細については、タイFDAに直接確認することが推奨されています。
参照元:CET MARKETING AND DISTRIBUTION
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