在タイ日本人必見:ナーン県洪水とSEhRTの避難所衛生
タイ保健省がナーン県の洪水被災地を支援──環境衛生チーム「SEhRT」が出動
タイ北部ナーン県で発生した水害を受けて、タイ保健省が健康被害の予防に向けた支援を強化しています。特に、小さなお子さんや高齢者などの「守るべき人たち」を意識した対策が動き出していて、医療・美容好きとしても現地の公衆衛生レベルの高さを実感する内容です。
ここでは、ナーン県の洪水状況と、環境衛生チーム「SEhRT」による具体的な支援内容、そして住民への注意喚起をわかりやすくまとめます。
ナーン県の洪水状況とタイ保健省の動き
タイのパッタナ・プロムパット保健大臣は、ナーン県での水害や山からの鉄砲水による被害を受けた住民の健康影響を懸念し、特にリスクが高い「脆弱な人たち」への重点的なケアを指示しています。洪水は住居や生活基盤だけでなく、飲み水やトイレ、ゴミ処理などの環境衛生にも直結するため、健康被害につながりやすいのがポイントです。
ソムルック・チュンサマン保健省事務次官も、ナーン県での大雨により、鉄砲水や川の増水で住宅が浸水している状況に言及しています。現時点で、ナーン県内11のタムボン(行政単位)・3つの郡が被害を受けており、プア郡では7カ所の避難所・支援拠点が開設されています。事務次官は、地域の保健機関と保健省の「กรมอนามัย(公衆衛生局)」に対し、状況を継続的に監視しながら、避難所での健康管理チームを組織するよう指示しています。
これにより、医療・看護だけではなく、環境衛生の視点からも総合的に住民を守る体制がとられています。タイに住んでいると、こうした公的機関の連携の速さが、災害時の安心感につながりますよね。
環境保健チーム「SEhRT」による支援内容
SEhRTとは?ナーン県への派遣と役割
กรมอนามัย(公衆衛生局)の局長であるアムポーン・ベンジャポンピタック医師は、保健大臣と事務次官からの指示を受けて、環境保健チーム「SEhRT」を動員したと説明しています。今回は、チェンマイにある「第1保健センター」のSEhRTチームが、ナーン県の現地保健機関と密接に連携しながら、以下のような支援にあたります。
住民の生活と直結する
・環境衛生
・個人の衛生管理
・避難所の衛生状態
などを総合的にサポートし、健康被害のリスクを評価・監視することが主な役割です。そのための評価ツールや監視用の資材も、事前に準備が進められています。
さらに、ナーン県保健局のSEhRTや、現地の関係機関とも連携しながら、避難所の環境衛生を「7つの観点」で評価・管理する体制を整えています。
環境衛生「7つの観点」で避難所をチェック
避難所の評価は、「環境衛生の7つのミティ(側面)」に基づいて行われます。局長が示した内容は、次のようなポイントです。
1つ目は「安全な水と飲料水の管理」。洪水時は水道水や井戸水の汚染リスクが高まるため、飲み水の質がとても重要になります。
2つ目は「食品の衛生管理」。炊き出しや配給が行われる避難所では、食中毒のリスクを抑えるための衛生チェックが欠かせません。
3つ目は「トイレ・便所、し尿、ゴミ(廃棄物)の管理」。トイレ環境が悪化すると感染症リスクが上がるだけでなく、避難生活のストレスにも直結します。
4つ目は「害虫や病気を媒介する動物・昆虫のコントロール」。蚊やハエ、ネズミなどの増加をどれだけ抑えられるかも健康維持のカギになります。
5つ目は「避難所内の環境と換気の管理」。清潔で風通しの良い空間づくりを意識し、できるだけ安全で過ごしやすい環境に整えることが目標です。
さらに、健康づくりの推進や、子ども・高齢者・特別な支援が必要な人たちへの配慮も含めて、総合的な“環境と健康”の管理が行われます。
このように、ナーン県の避難所では、単に“雨風をしのげる場所”というだけでなく、環境衛生の観点からも細かくチェックされる仕組みが整えられています。
ナーン県に送られる具体的な資材
支援を支えるのが、チェンマイの第1保健センターにあるロジスティクスチームです。ナーン県に届けるために準備されている主な資材は、次のような内容です。
まず、「V-Cleanセット」100セット。詳細な中身までは示されていませんが、名称から環境や個人の清掃・消毒をサポートするためのキットと考えられます。
次に、「紙製トイレ」と「石灰」と「黒いビニール袋」がセットになったものが200セット準備されています。これにより、仮設トイレの整備や、し尿とゴミの一時管理をしやすくする狙いがあります。
水と食品の安全性をチェックするための検査キットも充実しています。
・飲料水中の残留遊離塩素を測定する検査キット(オー31)が5セット
・食品中の大腸菌群(コリフォーム菌)を調べる検査キット(オー13)が150本
・水中の大腸菌群を検査するキット(オー11)が150本
これらの資材は、現在パッキング作業が進められており、同日中にナーン県へ発送する予定とされています。また、現地からのニーズを見ながら、今後も継続的に支援内容の調整が行われる方針です。
住民への注意喚起と健康リスクへの備え
กรมอนามัยの局長は、ナーン県を含むリスク地域の住民に対して、状況をこまめに確認するよう呼びかけています。特に、
・子ども
・高齢者
・特別な支援を必要とする人
などは、体力や行動範囲の問題から、水害時により大きな危険にさらされやすいため、家族や周囲が意識して守ることが大切です。
具体的な注意点として、鉄砲水が発生している場所や、水かさの増した場所を徒歩で渡ったり、車で無理に通り抜けたりすることを避けるよう求めています。水の流れが速い場合、思った以上に体や車が流されてしまうおそれがあり、命に関わる危険があるからです。
また、冠水エリアでは「毒をもつ動物」と「漏電」にも注意を促しています。水に浸かった場所では、どこに何が潜んでいるか見えづらく、危険な生き物や電気系統のトラブルが潜んでいる可能性があります。もし事故やけが、人が流されるなどの緊急事態が発生した場合は、タイの救急医療ホットライン「1669」に連絡し、速やかに病院へ搬送するよう呼びかけています。
こうした基本的な注意を守ることで、水害時のリスクを下げられる可能性があります。タイで暮らしている日本人としても、同じ番号やルールを覚えておくと、いざというときに自分や周りの人を守る行動につながります。
まとめ
ナーン県の水害に対して、タイ保健省とกรมอนามัยは、単なる緊急避難だけでなく「環境衛生」まで踏み込んだ支援を行っているのが特徴です。SEhRTチームの派遣や、飲み水・食品・トイレ・ゴミ・換気・害虫対策など、7つの観点から避難所をチェックする取り組みは、健康被害を抑えるうえで重要な役割を果たします。
一方で、住民自身の行動もとても重要です。鉄砲水の中を歩いたり車で突っ切ったりしないこと、毒をもつ動物や漏電に気をつけること、そして緊急時には1669に連絡して医療機関につなぐことが呼びかけられています。
タイに住む私たち日本人にとっても、こうした公的支援の仕組みと行動のポイントを知っておくことは、自分や大切な人を守るための大事な備えになりそうです。
よくある質問(FAQ)
Q1. タイ・ナーン県ではどのような災害が起きているのですか?
A1. ナーン県では大雨の影響で水かさが増し、山からの水(鉄砲水)や川の氾濫によって住宅地が浸水しています。11のタムボンと3つの郡が被害を受け、プア郡では7カ所の避難所・支援拠点が開設されています。
Q2. タイ保健省はナーン県の洪水に対してどのような対応をしていますか?
A2. 保健大臣と保健省事務次官が、住民の健康影響、とくに脆弱な人たちへの影響を懸念し、กรมอนามัยに環境衛生支援を指示しています。避難所での健康管理チームの編成や、SEhRTの派遣、環境衛生資材の提供などを通じて、住民の健康を守る体制を整えています。
Q3. SEhRTチームはナーン県で何をするチームですか?
A3. SEhRTは、環境保健の専門チームで、ナーン県では第1保健センター(チェンマイ)から派遣されています。現地の保健機関と協力しながら、避難所や被災地の衛生状態を評価・監視し、水や食品、トイレ、ゴミ、換気、害虫対策など、環境衛生全般の管理や健康リスクのチェックを行います。
Q4. ナーン県にはどのような資材が送られる予定ですか?
A4. 第1保健センターのロジスティクスチームが、V-Cleanセット100セット、紙製トイレと石灰・黒いビニール袋のセット200セットを準備しています。また、飲料水中の残留遊離塩素を測る検査キット5セット、食品中の大腸菌群検査用ボトル150本、水中の大腸菌群検査用ボトル150本が用意されており、本日中の発送を予定しています。
Q5. ナーン県などのリスク地域に住む人は何に気をつけるべきですか?
A5. 子ども、高齢者、特別な支援が必要な人を特に気にかけながら、鉄砲水や増水した場所を徒歩や車で無理に通行しないことが重要です。また、水没エリアでの毒をもつ動物や漏電に注意し、事故やけが、人が流されるなどの緊急事態があれば、救急医療ホットライン1669に連絡し、速やかに病院へ搬送するよう求められています。
参照元:กรมอนามัย
お問い合わせのお申し込みはこちら
医療機関への問い合わせ
- ご希望の医療機関への問い合わせを取り次ぎ(代行)致します。
- 問い合わせ回数は医療機関1箇所への問い合わせ1回あたり(1往復)となります。