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プーケットに国際がんセンター開設 日本人向けケアも

プーケットに「バンコク・プーケットがんセンター」誕生 国際水準のがんケア拠点が始動

タイ・プーケットで、新たに「バンコク・プーケットがんセンター(Bangkok-Phuket Cancer Institute)」が正式オープンしました。がんの検査から治療、リハビリ、長期フォローまでを一つの流れで提供する“トータルケア”をめざした施設です。

コンセプトは「Care Beyond Cure」。治すことだけでなく、その先の生活やクオリティ・オブ・ライフまで見据えたがん医療を掲げ、タイ南部と医療ツーリズムのハブであるプーケットの新しい柱として期待されています。

バンコク・プーケットがんセンターの特徴とビジョン

バンコク・プーケットがんセンターは、プーケット県のバンコク病院プーケット内に開設されました。開所式には、プーケット県副知事のスウィット・パンセンイアム氏が式典の議長を務め、バンコク・ドゥシット・メディカルサービス(BDMS)の経営陣や在プーケット各国領事館代表、医療パートナー、メディア、来賓が参加し、地域のがん医療にとって大きな一歩となる節目を見届けました。

センターの指揮をとるのは、バンコク・プーケットがんセンター所長であり、大腸・肛門外科を専門とするアット・ヒランヤカート教授(Prof. Dr. Atth Hiranyakas)。同教授は、センターが「Care Beyond Cure」という考え方のもと、治療のあらゆる段階で患者を包括的に支えることをめざしていると説明しています。

特徴的なのは、医師のチーム編成とアプローチです。各分野の専門医が連携する「多職種チーム」によって、一人ひとりの患者に合わせた「Personalized & Precision Cancer Care(個別化・精密ながんケア)」を実践していく方針が示されています。最新の医療技術を活用しつつ、標準的なプロトコルをそのまま当てはめるのではなく、患者ごとの状態や希望に合わせて治療計画を組み立てていくイメージです。

さらに、治療の目標として「オルガン・プリザベーション(Organ Preservation/臓器温存)」を重視している点もポイント。可能な範囲で臓器を守りながら治療を進めることで、治療の負担や後遺症による影響を抑え、治療後の生活の質を保つことを目指しています。ただ“治す”だけでなく、その後の人生をどう心地よく過ごせるかにフォーカスしているのが、このセンターの大きな特徴です。

包括的ながん診療とネットワーク連携

バンコク・プーケットがんセンターは、がんの「トータルケア拠点」として設計されています。提供されるサービスは、早期発見のための検診やスクリーニングから始まり、確定診断、外科手術、薬物療法(抗がん薬など)、放射線治療、リハビリテーション、そして長期的なフォローアップまで、一連の流れを網羅しています。

また、高度なセカンドオピニオン(Second Opinion)の相談拠点としての役割も担っており、すでに治療方針が提示されている患者に対しても、多職種チームで再評価し、より適した選択肢を一緒に検討していく体制が整えられています。治療の各段階で、複数の専門家が関わることで、患者が納得しやすく、継続しやすいプランにつなげていく狙いがあります。

このセンターの強みは、単独の病院にとどまらない「ネットワーク連携」です。バンコク病院プーケットだけでなく、バンコク病院シリロート(Bangkok Hospital Siriroj)、ディブック病院(Dibuk Hospital)といったプーケット内の関連病院に加え、バンコクの「バンコクがん病院ワタノソット(Bangkok Cancer Hospital Wattanosoth)」のネットワークともつながることで、がん治療の選択肢を広げています。

この連携により、患者は標準化された医療サービスへ迅速にアクセスしやすくなり、紹介や予約の待ち時間を短縮できることが期待されています。がん治療では、診断から治療開始までのスピード感がとても大切なポイントになりますが、ネットワーク型の体制によって、その部分の改善を図っている形です。

加えて、国際患者向けのサービスも整備されています。センターには「インターナショナル・サービスセンター」が置かれ、多言語対応のコーディネーターが、海外からの患者と家族を治療全体のプロセスにわたってサポート。言葉や手続き面の不安を軽減しながら、プーケットでのがん治療を受けやすい環境づくりに取り組んでいます。

世界で拡大するがん医療ツーリズムとタイ・プーケットの強み

バンコク・プーケットがんセンターの開設は、世界的に伸びている「がん医療ツーリズム(Cancer Medical Tourism)」の流れとも連動しています。オンコロジー領域の医療ツーリズム市場に関する分析レポートによると、がん治療を目的とした医療ツーリズム市場は2024年に約78億米ドル規模と見積もられ、今後は年平均10.7%の成長が見込まれているとされています。

なかでもアジア太平洋地域は、市場シェアの最大の割合を占める地域とされており、その背景には、最新の治療技術へのアクセス、国際的な基準を満たした病院の質、そして専門性の高い医療人材の存在が挙げられています。

タイはその中でも特に注目されていて、ニューヨーク発の旅行メディア「Travel And Tour World(TTW)」から、世界の「Medical Tourism Destination」ランキング第2位に選ばれています。アジア太平洋地域における医療ツーリズムの主要な目的地の一つとして認知されており、「治療」と「滞在」を組み合わせたスタイルを求める海外患者からも支持されている状況です。

プーケットは、タイの中でも医療ツーリズムの重要なハブとして位置づけられています。充実した民間病院、国際線が発着するプーケット国際空港、そして外国人患者を受け入れるためのサービス体制が整っていることから、治療とリゾート滞在を組み合わせたスタイルにフィットしやすい地域といえます。今回のバンコク・プーケットがんセンター開設により、プーケットが担うがん医療の役割は、国内外の患者にとってさらに大きなものになっていきそうです。

官民連携で進む南部タイのがん医療体制

BDMSグループにとって、バンコク・プーケットがんセンターは「センター・オブ・エクセレンス(Centers of Excellence)」戦略の一環とされています。BDMSの取締役兼グループCEOであるポラマポーン・プラサットトンオーソット医師(Dr. Poramaporn Prasarttong-Osoth)は、この新センターの開設が、グループ病院の強みをシームレスにつなぎ合わせ、国際基準のがん治療を多くの人に届けるというBDMSのコミットメントを体現していると述べています。

また、このセンターはタイ人患者だけでなく、海外からの患者受け入れも視野に入れており、タイを「国際的な医療・ヘルスケアのハブ」として発展させていく取り組みの一部でもあります。がん医療に特化した拠点を地方都市にも整備することで、首都バンコク一極集中からの分散にもつながり、地域ごとの医療アクセス格差を軽減していく効果も期待されています。

プーケット県副知事のスウィット・パンセンイアム氏は、今回の開設を「県内の医療サービス向上における官民連携の重要な一歩」と位置づけています。質の高いがん治療へのアクセスを広げることで、県民が遠方まで移動する負担を減らし、プーケットを医療・ヘルスケアの地域ハブとしてさらに強化していく考えが示されています。

この動きは、プーケットにとどまらず、タイ南部全体の医療提供体制にも波及していくとみられています。バンコク・プーケットがんセンターを軸にしたネットワーク型のがんケアが広がることで、南部各地域の患者が、国際水準のがん医療によりスムーズにアクセスできる道が開かれつつあります。

まとめ

バンコク・プーケットがんセンターは、「Care Beyond Cure」というコンセプトのもと、多職種チームによる個別化・精密ながんケア、臓器温存を重視した治療方針、そして検診から長期フォローまでをカバーする包括的なサービスを備えた新しい拠点です。BDMSグループのネットワークとプーケットの医療インフラ、国際患者受け入れ体制が組み合わさることで、タイ南部および周辺地域にとって心強いがん医療の選択肢となりつつあります。世界的に拡大するがん医療ツーリズムの流れのなかで、プーケットがどのように存在感を高めていくのか、今後の展開にも注目が集まりそうです。

よくある質問(FAQ)

Q1. バンコク・プーケットがんセンターはどこに開設されたのですか?

A1. プーケット県にあるバンコク病院プーケットの院内に、「バンコク・プーケットがんセンター(Bangkok-Phuket Cancer Institute)」として正式に開設されています。

Q2. バンコク・プーケットがんセンターでは、どのようながん医療サービスが受けられますか?

A2. がんの検診・スクリーニング、診断、手術、薬物療法、放射線治療、リハビリテーション、長期的な経過観察まで、がん治療の一連のプロセスをカバーしています。また、高度なセカンドオピニオンの相談拠点としても機能しています。

Q3. 「Care Beyond Cure」とはどのような考え方ですか?

A3. 「Care Beyond Cure」は、がんを「治すこと」だけにとどまらず、治療の各段階で患者を多面的に支えるというコンセプトです。多職種チームによる連携、最新医療技術の活用、個々の患者に合わせたPersonalized & Precision Cancer Care、臓器温存(Organ Preservation)を重視したアプローチなどを通じて、治療による負担を減らし、生活の質を保つことを目指しています。

Q4. 海外からの患者に向けたサポート体制はありますか?

A4. はい。センターには国際患者向けのサービス部門があり、多言語対応のコーディネーターが、患者と家族を治療の全プロセスにわたってサポートする体制が整えられています。これにより、海外からの患者もプーケットでのがん治療を受けやすくなるよう配慮されています。

Q5. プーケットやタイにとって、このセンター開設はどのような意味がありますか?

A5. プーケットにおける質の高いがん治療へのアクセスを向上させ、県民の移動負担を軽減するとともに、タイ南部全体のがん医療ネットワークの強化につながる取り組みとされています。また、タイを国際的な医療・ヘルスケアのハブとして発展させる戦略の一部であり、医療ツーリズムの観点からも、プーケットの役割拡大が期待されています。

参照元:Public Hit

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