在タイ日本人向け:サムットプラーカーン早産予防プロジェクト解説
タイ・サムットプラーカーン県で早産予防へ前向きな「健康増進プロジェクト」始動
タイで妊娠・出産を考えていると、「早産」ってどうしても気になりますよね。サムットプラーカーン県では、早産の割合が目標より高い状況を受けて、国レベルの大きなプロジェクトが本格的に動き始めました。
妊婦さんを早い段階からしっかり支えるために、地域と病院が一体となって取り組む「積極的な健康増進プロジェクト」の内容を、わかりやすくまとめます。
サムットプラーカーン県の早産の現状と課題
タイ保健省・保健局のアムポーン・ベンジャポンピタック局長は、ナンナット・パットラナンタナポン医師(保健局副局長)に、サムットプラーカーン県での早産対策に関する会議への参加を任命しました。会場はサムットプラーカーン県バーンプリー病院の会議室で、保健省、内務省、病院や関連機関などから、80人以上が参加する大きな場となりました。
サムットプラーカーン県保健局長のプラパート・プークドゥアン氏による歓迎のあいさつのあと、県全体で早産とどう向き合うかが、具体的に共有されています。
ナンナット副局長は、早産の減少はタイの公衆衛生にとって重要なテーマであり、地域レベルと医療機関レベルの両方での連携が欠かせないと強調しました。妊婦さんが妊娠初期から質の高いケアを受けられるようにすることが、プロジェクトの大前提とされています。
サムットプラーカーン県では早産の状況が目標より高い傾向にあり、仏暦2568年(2025年)は11.51%、仏暦2569年(2026年)には12.48%と報告されており、この数字をどう下げていくかが大きな課題になっています。
早産予防へ「積極的健康増進プロジェクト」の目的
今回の会議は、早産予防のための「積極的健康増進プロジェクト」の進め方を、関係者全員で共通認識にすることが大きな目的です。ナンナット副局長は、単に方針を示すだけでなく、「県レベルのネットワークを強化し、システムとして“攻めの早産予防”を進める」ことを目指すと説明しました。
このプロジェクトでは、早産対策を
1. 地域(Community Based)
2. 病院(Hospital Based)
という2つの軸から同時に進める点が特徴です。どちらか一方だけではなく、妊娠がわかった瞬間から、出産、そして新生児のケアまで、一連の流れを切れ目なくサポートするイメージで設計されています。
Community Based:地域から妊婦さんを早期に支える
Community Basedの取り組みでは、まず「妊婦さんをいかに早く見つけ、早くケアにつなげるか」が重視されています。具体的には、地域にいる妊婦さんを積極的に探し出し、できるだけ早い段階で妊婦健診(いわゆる“早期の産科受診”)につなげることが目標です。
同時に、地域住民や妊婦さん本人、その家族に対して、「早産の危険性」に関する理解を深める活動も含まれています。早産が母体や赤ちゃんにどんな影響を及ぼしうるのかを知ることで、妊娠中の体調変化への意識が高まり、必要なときに適切な医療へつながりやすくなることが期待されています。
また、早産リスクに関わる「5つの疾患」のスクリーニングも、重要な柱として位置づけられています。この5つの疾患を早く見つけてケアすることで、早産のリスク低減をめざしています。
Hospital Based:病院での周産期ケアを強化
Hospital Basedの取り組みは、主に医療機関内での体制づくりにフォーカスしています。特に、早産で生まれた赤ちゃんを含む新生児を「分娩室でどうケアするか」という点が重視されています。
分娩の場でのケア体制を整えることで、早産児を含めた新生児の状態をできるだけ安定させることが目指されています。
さらに、母乳育児の推進もプロジェクトの大切な要素とされています。早産かどうかにかかわらず、母乳で赤ちゃんを育てることを後押しする取り組みが含まれており、出産後すぐからのサポート体制づくりが意識されています。
加えて、早産児を他の医療機関へ送る必要がある場合に備え、「効率的な紹介・転院システム」を整えることも挙げられています。これにより、必要な治療やケアが提供できる施設へスムーズに連携できるようにする狙いがあります。
会議での意見交換と、目標「早産率8%以下」への道筋
今回のワークショップ形式の会議では、政策レベルと現場レベルの両方から、さまざまな提案が寄せられました。参加したのは、専門家や関係機関の担当者たちで、早産予防に関する具体的なアイデアや改善点が共有されています。
ナンナット副局長によると、こうした意見を取り入れながら、計画を「実際の現場で動く仕組み」へと落とし込んでいくことが重要だとされています。
最終的なゴールとして示されているのは、「サムットプラーカーン県の早産率を8%以下に抑える」という目標です。現在の11%台から12%台という数字を踏まえると、簡単なチャレンジではありませんが、地域と病院、そして国レベルのサポートを組み合わせて、段階的に達成をめざす方針です。
今後、このプロジェクトがどのように展開し、県内の早産率にどんな変化が出てくるのか、引き続き注目していきたいところです。
まとめ
サムットプラーカーン県では、早産率が目標より高い状況を受けて、保健局主導の「積極的健康増進プロジェクト」が本格スタートしました。地域(Community Based)と病院(Hospital Based)の2つの視点から、妊婦さんの早期発見・早期受診、早産の危険性への啓発、5つのリスク疾患のスクリーニング、新生児ケア、母乳育児の推進、そして効率的な紹介システムづくりまで、周産期をトータルで支える仕組みづくりが進められています。
専門家や関係機関からの提案を取り入れながら、サムットプラーカーン県の早産率を8%以下に抑えるという明確な数値目標に向けて、今後も取り組みが続けられる予定です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 今回のプロジェクトはどの地域で行われているのですか?
A1. タイのサムットプラーカーン県で実施されており、バーンプリー病院を拠点に、県内の関係機関が連携して取り組んでいます。
Q2. プロジェクトの主な目的は何ですか?
A2. 早産(予定より早い出産)の割合を減らすことが目的で、妊婦さんが妊娠初期から質の高いケアを受けられる体制づくりと、県全体のネットワーク強化が重視されています。
Q3. Community Basedの取り組みでは何をしているのですか?
A3. 地域で妊婦さんを早期に見つけて妊婦健診につなげること、早産の危険性についての理解を広めること、そして早産リスクに関わる5つの疾患のスクリーニングを行うことが含まれています。
Q4. Hospital Basedの取り組みのポイントは何ですか?
A4. 出産時の新生児ケアの強化、母乳育児の推進、そして早産児を必要な医療機関へスムーズに送るための効率的な紹介・転院システムづくりがポイントとされています。
Q5. 早産率の目標値はどれくらいに設定されていますか?
A5. サムットプラーカーン県では、早産率を8%以下に抑えることが目標とされています。これは、仏暦2568年(2025年)に11.51%、仏暦2569年(2026年)に12.48%と報告されている現状からの改善をめざすものです。
参照元:กรมอนามัย
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