タイ在住の親へ:てんかんと熱性けいれんの対処法
てんかんと熱性けいれんは別物。原因と発作時の正しい対応を知ろう
子どものけいれんや「てんかん」という言葉を聞くと、ママパパとしてはすごく不安になりますよね。しかも「熱性けいれん」と「てんかん」、名前が似ているからこそ混同されがちです。
でも、この2つは原因も受け止め方もまったく違うものとされています。焦らず正しく見分けて、いざというときに落ち着いて対応できるよう、一緒に整理していきましょう。
てんかんと熱性けいれんの違い
タイ語では「โรคลมชัก(てんかん)」と「ชักจากไข้(熱性けいれん)」と表現されますが、これは“似て非なるもの”。どちらも「けいれん」という見た目の症状がある一方で、背景にある原因は大きく違うとされています。
てんかんは、脳そのものに何らかの異常や障害があって起こる病気とされています。一方、熱性けいれんは、まだ発達途中の子どもの脳が、発熱をきっかけにけいれんを起こしてしまう状態と説明されています。
どちらの場合も、まわりの大人が落ち着いて観察し、適切に対処することがとても大切です。特に「どれくらいの時間けいれんが続いたか」「熱があるかどうか」といったポイントが、受診時の重要な情報になります。
てんかん(โรคลมชัก)の主な原因
てんかんは、脳の中で過剰な電気信号が生じることで発作が起こる病気ですが、その原因としてはいくつかの要因が挙げられています。
一つは、生まれつきの脳の奇形や、脳の形や構造に関する先天的な問題です。また、出産のときに脳への酸素が不足してしまったことによる脳障害も、原因の一つとされています。さらに、感染症による脳炎など、感染が引き金になって脳に炎症が起こるケース、脳腫瘍(脳の中にできる腫瘍)や、脳血管に異常が起こる脳血管疾患も、てんかんの原因になり得るとされています。
加えて、遺伝的な要因が関わるタイプのてんかんもあるとされており、中にははっきりとした原因が見つからない患者さんもいるとされています。つまり「これだけが原因」というより、さまざまな要因が絡み合っていることが多いのが特徴です。
いずれにしても、てんかんが疑われる場合には、自己判断ではなく医師による評価が重要とされます。
熱性けいれん(ชักจากไข้)の背景と特徴
熱性けいれんは、主に子どもにみられるけいれんのタイプで、発達途中の脳と発熱がセットになって起こるとされています。子どもの脳は、おおよそ6歳ごろまではまだ完全に成熟しきっていないとされ、この「未熟さ」が一つの背景として挙げられています。
そこに、体のどこかで起きた感染症による発熱が加わることで、けいれんを起こしてしまうことがあるとされています。たとえば、風邪やその他の感染症など、原因はさまざまですが、「熱があること」と「脳の未熟さ」が組み合わさることで、熱性けいれんという形で現れるイメージです。
さらに、遺伝的な要因も無視できません。両親のどちらかが子どものころに熱性けいれんを起こしたことがある場合、その子どもにも熱性けいれんがみられることがあるとされています。家族歴があるからといって必ず起こるわけではありませんが、「体質として起こりやすい傾向がある」と理解しておくと、いざというときに慌てすぎずに済むかもしれません。
発作時の正しい対処と、危険サインの見極め
けいれんを目の前にすると、とにかく何かしなきゃ…と焦ってしまいがちですが、一番大切なのは「安全な姿勢で見守ること」とされています。基本のポイントはとてもシンプルです。
まずは、本人を横向きに寝かせることがすすめられています。あお向けのままだと、唾液や吐物で気道がふさがれてしまうリスクがあるため、横向きにして呼吸がしやすい姿勢を保つことが大切とされています。首回りや胸元がきつい服なら、ゆるめてあげるとより安心です。
そして特に重要なのが、「口の中に物を入れないこと」。舌をかまないように、と何かを無理に口に入れようとする人もまだいますが、「物を口に入れるのは絶対に避けるべき」とされています。口の中や歯を傷つけたり、異物がのどに詰まる危険もあるため、物を押し込む行為は避けてください。
発作のあいだは、時計を見て「いつから始まったか」「どのくらい続いているか」を確認しておくことも重要です。特に、次のような“危険サイン”がある場合は、できるだけ早く医療機関に相談・受診することがすすめられています。
一つ目は、けいれんが5分以上続く場合です。短時間でおさまるけいれんと比べて、長く続くけいれんは注意が必要なサインとされています。二つ目は、発熱を伴わないのにけいれんをしている場合です。熱性けいれんではなく、てんかんなど別の原因が隠れている可能性もあるため、医師の評価が重要とされています。
さらに、「複雑型の熱性けいれん」とされるようなタイプも、危険サインの一つとして挙げられています。熱性けいれんの中でも、経過や状態が単純ではないパターンを指す言葉で、このようなケースでは、特に早めに専門的な診察を受けることが大切とされています。
いずれの場合も、「なんとなく心配」「いつもと様子が違う」と感じたら、自己判断で放置せず、医療者に相談することが安心につながります。
まとめ
てんかんと熱性けいれんは、どちらも「けいれん」を起こすという共通点はあるものの、原因や背景はまったく異なるものとされています。てんかんは、先天的な脳の異常、出産時の脳への酸素不足、脳炎、脳腫瘍、脳血管疾患、遺伝的要因など、脳そのものの障害が関わる病気とされます。一方、熱性けいれんは、おおよそ6歳ごろまでの未熟な脳と、感染症による発熱が組み合わさって起こるとされています。
発作を見たとき、大人にできる一番大切なことは、「横向きに寝かせて安全を確保し、口に物を入れないこと」。そして、けいれんの時間や熱の有無を冷静に観察し、5分以上続く・熱がないのにけいれんしている・複雑型の熱性けいれんなどの危険サインがあれば、早めに医師の診察を受けることがすすめられています。正しい知識を持っておくことで、もしもの時にも落ち着いて行動しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q1. てんかんと熱性けいれんは、何が一番違うのですか?
A1. てんかんは、脳の障害や異常によって繰り返し起こる病気とされ、脳の奇形、出産時の脳の酸素不足、脳炎、脳腫瘍、脳血管疾患、遺伝的要因などが関わります。熱性けいれんは、発達途中の子どもの脳が、感染症による発熱をきっかけにけいれんを起こす状態とされており、原因や背景が異なります。
Q2. 熱性けいれんは何歳くらいまで起こる可能性がありますか?
A2. 熱性けいれんは、子どもの脳がまだ十分に成熟していない時期に起こりやすいとされており、その発達が不十分な期間はおおよそ6歳ごろまでとされています。
Q3. けいれんを起こしたとき、周りの大人はどう対応すればいいですか?
A3. 基本は、本人を横向きに寝かせて呼吸をしやすくし、安全を確保することが大切とされています。そして、口の中に物を入れないことが重要です。けいれんが始まった時間を確認し、どのくらい続いているかを観察しておくと、受診時に役立ちます。
Q4. どんなときにすぐ病院に連れて行ったほうがいいですか?
A4. けいれんが5分以上続く場合、発熱を伴わずにけいれんをしている場合、また「複雑型の熱性けいれん」と考えられるような場合は、危険サインの一つとされています。このようなときは、できるだけ早く医師の診察を受けることがすすめられています。
Q5. 熱性けいれんは遺伝しますか?
A5. 両親のどちらかが子どものころに熱性けいれんを起こしたことがある場合、その子どもにも熱性けいれんがみられることがあるとされています。そのため、熱性けいれんには遺伝的な要因が関わるケースがあると考えられています。
参照元:โรงพยาบาลรามคำแหง
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