タイ在住者必見:洪水時の薬と健康管理
洪水・浸水時の健康リスクと薬の守り方
雨や洪水で家の周りに水が何日もたまってしまうと、体調面でもメンタル面でもジワジワ負担がかかりますよね。見た目はただの水でも、実は細菌や化学物質が混ざっていることもあり、皮膚・お腹・傷口など、いろいろなトラブルのきっかけになります。
さらに、持病があって薬を飲んでいる人にとっては「薬が濡れた」「足りなくなりそう」という不安も大きなストレス。そんなときに押さえておきたい、洪水・浸水時の健康管理と薬の扱い方をまとめます。
洪水・浸水時に押さえたい基本のセルフケア
มูลนิธิสภาเภสัชกรรม(Foundation of Pharmacy Council)のประธานである ดร.ภก.นิลสุวรรณ ลีลารัศมี 氏は、洪水や水が長くたまった状況では「できるだけ水に触れないこと」から健康管理を始めるべきだと伝えています。特に、高齢者や小さな子ども、傷がある人、持病がある人は、水との接触をなるべく避けることが大事です。どうしても水の中を歩く必要があるときは、ブーツなど、水や汚れを防げる靴をしっかり履くようにします。
浸水した水には、細菌や化学物質、さまざまな汚れが混ざっている可能性があります。これらが原因になって、皮膚のトラブルや消化器系の不調、傷口からの感染につながることもあるため、水に触れた後は毎回、必ず石けんときれいな水で手を洗うことがすすめられています。ちょっと面倒でも、「水に触ったら手洗い」をルールにしておくと安心感が違います。
さらに怖いのが、水と一緒に流れてくる生き物たち。洪水のときは、ヘビやタカサゴサソリ、さまざまな虫など、毒を持つ可能性のある動物が紛れ込んでいることがあります。水に沈んで見えないところの物を、素手でガサガサ触るのは避けましょう。足元や手を守ることが、そのまま大きなケガや感染症の予防になります。
傷があるときのケアのポイント
すでに傷がある人や、水の中でケガをしてしまった人は、特に丁寧なケアが必要です。基本は、きれいな水と石けんでしっかり洗い、汚れを落としてから、清潔な素材で傷を覆うこと。
その後、傷の様子をよく観察し、
– 腫れ
– 赤み
– 熱っぽさ
– 強い痛み
– 膿が出る
– 熱が出る
といった変化があれば、感染が進んでいる可能性があるため、早めに医師や医療スタッフの診察を受けることがすすめられています。洪水時は医療機関も混みがちですが、「様子見しすぎない」ことがポイントです。
洪水時の薬の準備と保管のコツ
洪水や浸水が続くときに特に気をつけたいのが、薬の管理です。มูลนิธิสภาเภสัชกรรมは、薬の扱いについても強く注意を呼びかけています。
糖尿病、高血圧、心臓病、喘息などの持病がある人は、ふだん飲んでいる薬を「十分な量で」「正しく保管」しておくことがとても大切です。
まず、薬は乾燥した場所に保管し、水や湿気、熱からしっかり守りましょう。床近くや窓際など、水や温度の影響を受けやすい場所は避けて、できるだけ高くて安全な場所にまとめておくのがおすすめです。浸水や停電の可能性があるときは、早めに「薬置き場」を見直しておくと安心度が上がります。
もし避難が必要になった場合は、必ず普段使っている薬を持っていきます。このとき、薬そのものだけでなく、
– 薬の名前
– 1回量・1日量などの用量
– 飲み方・使い方
が分かるラベルやメモを一緒に持っておくと便利です。こうしておけば、避難先で医師や医療スタッフに状況を伝えやすく、より正確なサポートが受けやすくなります。
薬が洪水の水に触れたり、濡れてしまったり、パッケージが破れたりした場合は、自己判断で飲んだり使ったりしないことがすすめられています。見た目が大丈夫そうでも、目に見えない汚れや水分が入り込んで、薬が変質している可能性があるからです。特に湿気に弱いタイプの薬は注意が必要とされています。
こうした薬は、薬剤師に現物とパッケージを見せて、「まだ使えるか」「新しいものに替えた方がいいか」を相談しましょう。少し手間はかかりますが、安全に使うための大事なひと手間です。
洪水と一緒に増えやすい主な病気
洪水や浸水のタイミングで増えやすい病気についても、いくつか挙げられています。まず、呼吸器の病気としては、風邪、インフルエンザ、そして新型コロナ(COVID-19)が含まれます。人が密集しがちになったり、体力が落ちていたりすると、こうした感染症にかかりやすくなることが考えられます。
次に、消化器系では、下痢や食中毒などの「お腹の病気」が問題になりやすいとされています。浸水で水や食べ物が汚染されるリスクがあるため、飲み水や食事の衛生管理もとても重要です。
さらに、โรคฉี่หนู(ローク・チー・ヌー)と呼ばれる病気や、水に長く触れることで起こりやすい足の皮膚の病気(โรคน้ำกัดเท้าจากเชื้อรา)、それに関連する傷の感染も挙げられています。
蚊が媒介する病気としては、デング熱(ไข้เลือดออก)があり、浸水後に水たまりが増えると、蚊の発生もしやすくなります。
そのほかにも、
– 毒を持つ動物に噛まれたり刺されたりする被害
– 感電や溺水といった事故
– 水の中の鋭い物を踏んでケガをし、破傷風などにつながるリスク
なども、洪水時には注意が必要なポイントとして挙げられています。水そのものだけでなく、「水のまわりの環境すべてがリスクになりうる」と意識しておくと、行動のしかたも変わってきます。
まとめ
洪水や浸水が長引くときは、「水さえ引けば大丈夫」と思いがちですが、本当はその前から体と薬をしっかり守っておくことがとても大切です。
ポイントとして挙げられているのは、「水との接触をできるだけ減らすこと」「食べ物と飲み水の衛生に気をつけること」「薬を正しく保管し、必要な量を準備すること」「薬を自己判断で使わず、専門家に相談すること」の4つです。
準備をしておくことで、持病があっても、できるだけ普段どおりに薬を続けやすくなりますし、皮膚・お腹・呼吸器などのトラブルのリスクも減らせます。不安なときこそ、医師や薬剤師などの医療専門職からアドバイスを受けながら、自分と家族の健康を守っていきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 洪水・浸水時は、なぜできるだけ水に触れない方がよいのですか?
A1. 浸水した水には、細菌や化学物質、さまざまな汚れが混ざっている可能性があり、皮膚の病気や消化器系の不調、傷口からの感染などにつながるおそれがあるためです。特に高齢者や子ども、傷がある人、持病がある人は、可能な限り水との接触を避けることがすすめられています。
Q2. どうしても浸水した道を歩かなければならない場合、何に気をつければいいですか?
A2. ブーツなど、水や汚れを防げる靴を必ず着用し、素足やサンダルで水の中を歩かないようにします。また、水に触れた後は、毎回石けんときれいな水で手を洗うことが大切です。見えない場所に鋭い物や動物が潜んでいる可能性もあるため、むやみに手を入れないようにしましょう。
Q3. 傷がある状態で洪水に遭ったとき、どうケアすればよいですか?
A3. まず、きれいな水と石けんで傷と周囲をよく洗い、汚れを取り除いたうえで、清潔な素材で傷を覆います。その後、腫れ・赤み・熱っぽさ・強い痛み・膿・発熱といったサインが出てきた場合は、感染の可能性があるため、医師や医療スタッフに診てもらうことがすすめられています。
Q4. 薬が洪水の水に触れて濡れてしまいました。飲んでも大丈夫ですか?
A4. 洪水の水に触れた薬、濡れてしまった薬、パッケージが壊れた薬は、汚染や変質の可能性があるため、飲んだり使ったりしない方がよいとされています。特に湿気に弱い薬は注意が必要で、薬剤師に現物とパッケージを見せて、使用の可否や交換の必要性を相談することがすすめられます。
Q5. 洪水・浸水の時期に増えやすい病気には、どのようなものがありますか?
A5. 呼吸器では風邪、インフルエンザ、COVID-19、消化器では下痢や食中毒が挙げられています。そのほか、โรคฉี่หนู、水に長く触れることで起こる足の皮膚の病気や傷の感染、デング熱、毒を持つ動物による咬傷・刺傷、感電・溺水、鋭い物を踏んだことによるケガや破傷風のリスクなども、洪水時に注意すべきものとされています。
参照元:คอมมูนิเคชั่น แอนด์ มอร์
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